晴れのひ雨のひやさいのおかず
中目黒「のひのひ」から、身体においしいやさい料理をお届けします。
「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.4 初めての凍みこんにゃく」

「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.4 初めての凍みこんにゃく」

 

 

今年の遅めの夏休みは、お店を休むことは決まっていたものの

なかなか行き先が決まらず、山形に決定したのはほんとにギリギリだった。

まあ旅は電車に乗るだけでもたのしい訳だけど

せっかく行くのだから乾物探求隊しない理由はない!と

電車の中でいろいろ検索(遅)。

充実させる気満々で山形駅へ降り立ったのですが、、、

やはり下調べは大事。。行くとこ行くとこみんな土日がお休みで

乾物工場の見学とか、できたらなあ〜と思ってたわたしの目論見は玉砕。

まあうまいもの食べて、飲んで、それでも十分幸せだわ、、、

 

。。と思って諦めてたところ、通りかかった八百屋にそれはありました。

野菜とは別のコーナーに乾物の量り売りの棚が!

そんなにこちらの方って乾物を常用しているのかしら、と思うラインナップ。

菊、ぜんまい、丸い豆、つぶした豆、大根も三種類くらいあって、

麩も数種。ずいきや、地元の葉っぱ?の干したもの、

実物を初めて見る凍みこんにゃく、、、

物色していると「なんか探してる?、東京のかた?」と

お店のかたが声をかけてきてくれた。

いろんな乾物を探しているのだというと、

旅行来て乾物買うなんてめずらしいねーと。

奥から本屋には並んでなさそうな郷土料理の本を引っ張り出してくれて、

こっちのほうがいいとかあっちのほうがいいとかお二人でやっている。

(そ、その本ごと欲しいです、、、)とは言えず、待っていると

「これね!」と開いて見せてくれたページは、冷や汁。

いわゆる冷えたお茶漬けであるわたしが知っているそれとは違い、

野菜と乾物がたっぷりと入ったお浸しだ。

買う予定で手に持っていた、凍みこんにゃくの代表的な料理な様子。

これ、美味しそうですね〜というと米沢を代表する名物料理だよと教えてくれた。

失礼していいですかとそのレシピを写させてもらい、

お礼を言って乾物の袋をたくさんぶらさげて旅の続きへ戻った。

 

(そのあとわりといろいろ観光してまわるのだけど、

乾物って軽いからそれほど苦にならずお土産にはいいわー、と実感)

 

話がずれました。

 

日々の仕事に追われ、やっと冷や汁について調べられたのはつい最近。

作ってみたらかなり贅沢な一品だなあとは思っていたけれど

お祝いの席などにも出すハレの日の料理だということ、

昔は米沢藩の出兵の際に「行ってこいや!」と

武将を鼓舞するための宴の席で出されていたということなどがわかった。

 

本来は雪菜や小野川豆もやしを使う料理だが

どちらも東京では手に入りにくいので

小松菜と豆もやしで作ってみた。

干し貝柱と干し椎茸の出汁がとても贅沢で、

それを含む凍みこんにゃくを噛むたびじゅわっじゅわっ。

野菜がシャキシャキ。じゅわじゅわっ、シャキシャキ。

お行儀悪く、どんぶりいっぱい汁の最後までさらいたいくらい。

野菜もたっぷり、貝柱はタウリンを多く含む食品だし、

戦いの前の食事に使われてたのも頷ける。

昔の人は知ってたのか知らなかったのか。興味深い。

 

さて、初めて出会った凍みこんにゃく。

他にも何か料理法あるか調べてみなくちゃだな。

八百屋では、こんな風に箱に入れられて

ぺらっと一枚80円とかで売っているんだけど

みんなどんな様子で買って料理するんだろう。

八百屋に張りついて購入者を追っかけねばならない気がしてきた隊長です。

 

 

 

 

地域/山形県米沢市

原材料/こんにゃく

【教えてくれたひと:山形県米沢市、八百勘さん】

 

(隊長:やまさききよえ)

 

 

 

 

| のひのひ乾物料理探求隊 | 23:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.3 お祭りで食べる煮豆」

「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.3 お祭りで食べる煮豆」

 

すっかり涼しくなりました。秋ですね。

先日、九州は佐賀に秋祭りの取材へ行って参りました。

鹿島市の「七浦秋祭り」というお祭りで、いわゆる収穫祭です。

こちらのお祭りで奉納される伝統芸能「面浮立」が有名で、

それを撮りに、たくさんのアマチュアカメラマンの方が撮影に来てました。

(どんな祭りか詳しく知りたい方はこちらへ)

 

さて、祭の日の集合は朝7時半、集落の集会場にて。

地域の皆さんが祭り支度しているのを待っている間、私の鼻は煮物の匂いをかぎ付けました。

台所をヒョイとのぞくと、そこには炊き出し係のお母さんたちが

祭りのあとの「直会」(なおらい。神社の神事のあとに参加した人で一緒に食事をすること)

のための料理をしているところで、だいたい済んで一息ついているところでした。

「あ、祭りの料理ですか?」

「そうそう。見る?」

「はい!ぜひ!」

お魚は刺身用にかんぱちと、唐揚げ用に小さい魚(なんだったっけな……)が

アイスボックスの中に入っており、

おいしい新米は炊きたてで(これからおにぎりになる)、

ソーセージや鶏の唐揚げといった「大人数用のおかずの定番」があり、

「アタシが漬けたのよ!」とお母さん自慢の奈良漬けがあり、

そして、鍋の中には煮豆。

 

 

「この煮豆はどうやって作ったんですか?」

「これはね、大豆と昆布といりこを炊いたの」

「大豆は昨晩から水に浸して?」

「そうそう。で、今朝、昆布といりこを入れて火にかけたの」

「煮豆って直会の定番なんですか?」

「そうだよ〜。お祭りのときは必ず作る」

「お盆とかも?」

「お盆は作らない。お正月の初奉納の時は作る」

「へーえ(おいしそうだな……)」

「食べる?」

「はい!」

 

というわけで、朝ごはんを食べそびれていたワタクシは、

おいしい地元のお米のおむすび(ごま入り塩むすび)と煮豆をいただきました。

ちょっと甘めの味付けで、昆布は小さく四角に切ってありました。

いりこもダシ的にも味のアクセント的にもいい働きしてました。

おいしかったです。

「豆は浸しとくのが面倒で〜」「そんなの水に浸けとくだけよ〜」

そうですよね。そろそろ煮豆コトコトってのがたのしいシーズンです。

金曜日の夜、家に帰ったら豆を水に浸して、

土曜日は、ゆっくりコトコト豆を煮る週末ってのもよいのでは。

 

 

地域/佐賀県鹿島市

原材料/大豆

【教えてくれたひと:佐賀県鹿島市、嘉瀬の浦の婦人のみなさま】

 

(書記:かわせ)

 

 

JUGEMテーマ:家庭料理のレシピ

| のひのひ乾物料理探求隊 | 17:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.2 かんぴょうの産地を訪ねる/後編」

「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.2 かんぴょうの産地を訪ねる/後編」

 

前編から受け継ぎまして、かんぴょう、後半戦はやまさき(さきっちょ)です。

少し、興味を持っていただけたところでしょうか〜?

(前編をまだの方は、こちらからどうぞ!)

 

さて、丁寧に説明をしてくださる、あおやぎ農園さんの案内で畑から

かんぴょうを干しているビニールハウスを覗かせていただきました。

 

 

巨大な扇風機がぶんぶん。かんぴょうはそよそよ。

しっかり乾かすためなのでしょうか、均一に竿にかけられている様子から

丁寧に大事に扱って作られているのだなあと感じます。

 

 

陽があるうちにハウスで乾燥させ、夕方取り込み、変色止めの加工のため

夜中は硫黄で燻蒸するという作業を丸二日繰り返します。

また、無漂白のものは湿気に弱いのでお天気が続く日にしか作れないそうです。

 

 

 

こちらができあがり。表面はなめした皮のような表情です。

わたしが知ってるかんぴょうとぜんぜん違う。びっくりしました。

 

この見た目の色白さに反し、カリウムやカルシウム、

繊維質に富んでいて味が入りやすく使い易い食材だということ、

素材の邪魔をしないので和食から洋食までと、

いろいろな料理法に使えるということも教えていただきました。

 

無漂白は保存をする上でだんだん色が茶色っぽくなっていくので

販売するかたの側にはあまり人気がないそうなのですが、

こちらのほうが使う前の塩もみ洗いも必要なく旨みも良く出るとのこと。

今回は無漂白のものを少し(といっても普通で言ったら結構な量を)

分けていただきあおやぎ農園さんを後にしました。

 

 

 

既にのひのメニューで登場していますが「かんぴょうの卵とじ」。

おすいものくらいの出汁に戻したかんぴょうと葱を加えて

かき玉風にした一品。

お盆などで親戚が集まるときにつくるお料理だそう。

やさしい風味のかんぴょうの出汁も出ていい甘みです。

かんぴょうって言われないとわからないかも!

という感想をくださった方もいらっしゃいました。

セロリやトマトなどの洋風出汁でアレンジしてもおいしそうな。

 

後ろに見えるのは「たまねぎとかんぴょうのかきあげ」

おつまみにいいかなあと。

昆布巻きや寿司用のが余ったときなど、下味がついてるので

塩やめんつゆ無しでバリバリ食べれます。

やっぱビールですねここは、、、

 

***

 

とっとこ電車で向かって片道二時間ちょっとの

初の乾物農家さん訪問レポートは、ひとまずこんなかんじで終わります。

生産から製造まで見学することができて、かんぴょうの知識も少しですが勉強でき

はじまったばかりの乾物探求隊、貴重な第一歩を進めさせていただきました。

帰りに美味しい卵やさんも紹介していただいたりで、本当〜にお世話になりました。

あおやぎ農園さん、ありがとうございます!

 

地域/栃木県下野市

原材料/夕顔

【教えてくれたひと:あおやぎ農園さん】

 

またまた、おいし楽しの発見をしに探検隊は向かいます。

みなさまからの情報も(知ってるひとが作ってるよ!とか)

引き続きお待ちしております。

いけるとこだったら結構本気で伺っちゃいますので

その旨よろしくお願いいたします◎

 

(隊長 やまさききよえ)

 

| のひのひ乾物料理探求隊 | 20:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.2 かんぴょうの産地を訪ねる/前編」

「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.2 かんぴょうの産地を訪ねる/前編」

 

かんぴょう、と言えば

「かんぴょう巻き」「昆布巻を縛るもの」「ちらし寿司の具」

くらいしか料理は思いつかないながら、

誰もが知っている身近な乾物のひとつです。

でも、あれは何からできているのかというと

意外と知らない方も多いのではないでしょうか?

そして、どこが産地なのか、ということも意外と知られていないかもしれません。
出身の方は知っているかもしれませんね。

かんぴょうの産地は栃木県です。国産のかんぴょうの95%が栃木産。

ただし、そもそも国産のものは、

市場に出回っているかんぴょう全体のたった10%だそうです(他は韓国、中国産)。

かんぴょうを食べるのは日本と中国だけだというのに、

国産がこんなに少ないとは、残念な限りです。
さて、それではかんぴょうの原料とは一体なんでしょうか?
答えはこれです。

 

実

 

何ですか、これは。はい、これは「夕顔の実」で「ふくべ」と呼ばれているものです。

夕方に咲くから夕顔。ならば朝顔の親戚か?と思っていたのですが、

畑に生っている姿はこんな感じ。

 

畑

 

朝顔や昼顔とは違う種類で、どちらかというと、スイカやかぼちゃの親戚のウリ科の植物です。

 

実はのひのひ乾物探求隊は、乾物を作っている人に会ってみたい!ということで、

栃木県下野市のかんぴょう農家さんへおじゃましてきたのです。

うかがったのは「あおやぎ農園」さん。

かんぴょうづくりは6月下旬からお盆くらいまで。

「作業は夜中から始まります。前の日に収穫しておいたふくべを夜中にむいて、

昼間しっかり天日に干すためです。だからお昼くらいにはちょっと昼寝して、

午後には干し上がったものを整理したり、翌日干すかんぴょうのための場所を作ったり、

ふくべの収穫をしたりします」とのこと。

夏の陽ざしをフルに活かすための作業スケジュールなのであります。ごくろうさまです。

 

もともと、かんぴょうの産地は滋賀県。

(東海道五十三次の滋賀県辺りを描いた風景にかんぴょう干している様子が描かれている)

そこのお殿様が配置換えで下野国にきたときに、

一緒にかんぴょうづくりがこちらに伝わったのだそうです。

今では日本一の産地ではありますが、冒頭に書いたように、

国産が減っていること、後継者がいないことで廃業される農家さんも多いんだそうです。

 

さて、この夕顔の実(平均8kgくらい、持った感じは水っぽくて身の詰まったスイカみたい)が

かんぴょうになるわけですが、あの紐状にするために「かんぴょうむき機」で

するするする〜っとカツラむきするのです。

(残念ながらその作業は前述の通り夜中の作業のため見れませんでした)

案内してくださった青柳さん曰く、かんぴょうむき機も

製造メーカーがなくなってしまったので、直し直し使っているそう。

 

あっ、レポートが長くなってしまった!(ブログの長さって難しいですね)

それでは今日はこの辺で。

続きはこの写真に写っているさきちょさんにバトンタッチします。

後ろのハウスのなかにたなびいているのが、干しているかんぴょう。

なめらかでとてもキレイでした。

そのへんのディテールとかんぴょう料理について

次回、さきちょさんが綴ってくれますので、お楽しみに。

(書記:かわせ)

 

風景

 

 

 

JUGEMテーマ:家庭料理のレシピ

| のひのひ乾物料理探求隊 | 12:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.1 島根の丸干し大根」

「のひのひ乾物料理探求隊 Vol.1 島根の丸干し大根」

 

唐突に始まりました、『のひのひ乾物料理探求隊』

隊長/やまさきと、書記/かわせ。

そしてこれを読んでるあなたで作られるページです。

日本各地で作られ、食されている乾物をいろいろいろいろ引っこ抜いてきて

あれこれソレコレしてみよう。そんな企画を細々とですがはじめました。

探求隊からのお願いもあるので、最後までぜひおつきあいくださいませ。

 

まずは第一回、島根の丸干し大根。はじまり、はじまり。

 

私、やまさきの両親は共に島根県の出身。

夏休みの旅行先といえば、祖父母や親戚が住む浜田の土地でした。

見渡す限りの緑。畑と田んぼ、森、そして川。

ちょっと車を走らせるとひとの居ない海。

田舎の遊びかたを知らない私にとってはなんだか暇で

(だいたいこどもはいろいろ時間の流れが遅いのだ)

ぶらぶらしたり、犬やにわとりをいじくり廻したり

持て余し気味な夏休みを過ごしておりました。

そんな中なので、食は楽しみでわくわくして食卓についたものですが

こどもが好きそうなものを、と考えたであろう唐揚げと

一緒に並んでいたのは、当時あんまり好きじゃなかった野菜の煮付け。

丸干し大根と厚揚げ、ぜんまいの乾物といんげん。

盛り付けまではっきり覚えてる。

今や大好きなものだけど、その頃は唐揚げだけでいいよってかんじで

母に言われてちょっと皿にとるくらいだったかな。

 

この丸干し大根、細い切り干し大根と比べ食べごたえがあって

柔らかくもどして煮ると、さくさくとほくほくの中間のような食感と甘み。

こどもの私にはわからなかったかこの味は。

あー、そろそろまた送ってもらおうかなあ。

 

 

 

 

◎丸干し大根◎

皮をむいて輪切りにした大根を茹で(または蒸し)真ん中に藁を通し

暖簾のように軒先に吊るして干す。独特の歯ごたえで食べ応えがある。

地元では煮付けにして食べることがほとんどだが、漬物や佃煮などにも使える。

料理写真は『まるっと島根おいしたのし市』より。

 

 

地域/島根県浜田市

原材料/大根

【教えてくれたひと/写真提供:山崎家親戚】

 

◎「のひのひ乾物料理探求隊」アンケート協力のお願い◎

乾物は、昔の人たちの知恵が作り出した保存食であり、

日本の食文化を代表する食材です。

地方によって種類や食べ方が違ったりするのも面白い。

子供のときにはそのおいしさに気付かなかったなあ……。

そこで、ぜひみなさんのふるさとの味、お母さんの味やおばあちゃんの味、

あるいは子どもの頃の乾物の思い出、エピソードを教えてくださいませ!

(ご協力いただいた方は名誉特派員に任命させていただきます)

 

 

| のひのひ乾物料理探求隊 | 16:33 | comments(2) | trackbacks(0) |
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やまさき きよえ

このブログとオールアバウトさんの連載がまとまって池田書店さんより本になりました。公開されてないレシピやコラムもたくさんあります。よろしくおねがいします!
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中目黒の裏通りで飲み食い処のひのひをやっています。食べることでうれしく幸せな気持ちになったり、ほっと素直な気持ちになったりしたらいいなあ、と思って料理をしてます。なので、奇をてらわず、シンプルなメニューが多いのかもしれません。そんなお店で人気のメニューを中心に、おいしくて身体にやさしいやさい料理をお届けします。All aboutにて 旬のやさいレシピを公開中。著書に池田書店『裏通りの飲み食い処がおしえるやさいのおつまみ』(やまさききよえ)
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